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西村直人のACC最前線

第8回 欧州では時速200kmでも機能するACC
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例えばドイツのアウトバーンにおける速度無制限区間など、時速100kmを大幅に超える速度でもACCは機能します。しかし、ACCのシステムが行うブレーキ制御には限界があるため、安全に使うには注意が必要です。

欧州で販売されているACC搭載車のなかには、時速200kmでも設定可能な車種があります。これはなにも速度無制限区間を時速200kmで走り続けるために設けられた機能ではありません。設定できる速度を高くすることで、流れの速い速度無制限区間でもACCを積極的に活用するための策なのです。

先日、アウトバーンの速度無制限区間でACCによる走行テストを行いました。ACCの設定速度を、速度無制限区間の推奨速度である時速130kmとし、車間距離は「最長」を選択しました。

走行車線を時速130kmで走行していると、ジワジワと後方から迫ってくる車両に遭遇しました。追い抜かれた後、こちらも追越車線に移り加速します。すると、追い越していった車両は時速150km前後で走っていることがわかったので、こちらのACCをその少し上の時速160kmに設定し、追従走行を行ってみました。

しばらく追従走行を続けていくと、時折、前走車のブレーキランプが点灯することがあります。前走車の前方や、隣の走行車線に車両は見当たりませんが、その先に目を移すと、はるか先の道路が緩やかにカーブしていました。前走車のドライバーは、先の道路状況を見据えてあらかじめブレーキペダルを踏み減速をしていたのです。

前走車の減速にあわせて、私の車両も適切な車間距離を保つために、ACCによるブレーキ制御が行われます。しかし時速100kmで追従走行している場合と違い、減速が少し遅れる印象です。正確には前走車の減速に対して、時速100kmで追従走行している時と同じタイミングで反応しブレーキ制御が始まりますが、私には減速度(≑ブレーキの強さ)が足りないと感じられたのです。これは、ACCのシステムが行えるブレーキ制御には決まりがあり、一定以上の減速度(≑ブレーキの強さ)を生み出すことができないことに起因します。

時速160kmで走行中、車は1秒間に約45m進む計算です。速度が高まれば、それだけ時間あたりの進む距離が長くなるのは当然ですが、現在市販車に搭載されているACCのブレーキ制御は最高でも急ブレーキの半分程度の強さまでしか発揮されません。もちろん、技術的にはそれ以上の減速度をACCのシステムによって生み出すことはできますが、法規によって上限値が定められているのです。これは、日本も欧州も同様です。

ACCのなかには前走車だけでなく、カーブを検知し必要に応じて減速を行うなど高度な制御ができる車種もあります。しかし、それでもセンサーによる制御には限界があり、周辺の道路環境に対して完全には対応できません。ドライバーは、時速200kmでACCを機能させることができたとしても、ACCのシステムに過剰な信頼を寄せることなく、必要に応じて自らがブレーキ操作を行う心構えでACCを活用すべきでしょう。

欧州では時速200kmでも機能するACC

テストを行った車両で車間距離を「最長」にし、ACCの速度を時速160kmに設定した場合の車間時間は約5秒。時速100kmに設定した場合の車間時間に比べると、2秒ほど加算されていました。

公開日 2014年12月25日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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