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西村直人のACC最前線

第36回 自律自動運転が目指している理想とは?
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「クルーズコントロール(CC)」、「ACC」、「CACC」と時代の変遷とともに自律化が進む車両制御技術ですが、その行き着く先の理想のひとつに「自動運転」があります。正式名称を「自律自動運転」とするこうした世界では、車両に搭載されたセンサーが人間で言うところの“眼”の役割を果たし、そこから得られた自車周囲の情報を人間では“脳”にあたる車載コンピューターによって認識/判断され、その結果、アクセルやブレーキ、そしてステアリングの各操作がシステムによって自律的に行われます。

自律自動運転の世界観が示され始めた50年ほど前は、いわゆるボタンひとつで目的地へと運んでくれるようなSF的な要素を含んだ発想も見受けられました。そこには、当時の技術者だけでなく自動車ユーザーの未来に対する憧れが含まれていたと言えるでしょう。しかし、技術革新が進むにつれ、「ボタンひとつで~」という世界の実現には、もう少し時間が必要であることが分かってきました。

その理由は、たとえばインフラストラクチャーである道路網の新たな整備に加えて、車両と車両が通信を行う「車々間通信技術」、道路と車両が通信を行う「路車間通信技術」(いずれも第29回で紹介)など、自律自動運転を支える要素技術の普及が車両よりも先に求められるからです。また、こうした通信技術にはどんな周波数帯の電波を使い、そしてどんなサービスを、どのタイミングで行っていくのかなど、技術の枠組みや使用に関するルール作りも必要です。これには自動車メーカー間の垣根を越えた話し合いが不可欠であると言えます。

こうした課題があることから、自律自動運転に対する当面の理想は、「事故のない交通社会をサポートする技術」であるとの定義付けがなされました。運転操作のミスは90%以上が人為的とも言われていますが、自律自動運転技術を搭載した車両が普及することによって、ドライバーのうっかりミスが大きく減少することが期待されています。また、前人未踏の超高齢社会に突入した日本おけるドライバーの高齢化対策としても、自律自動運転技術が有効な手だてになるのではないか、との研究も進んでいます。

ACCはこうした自律自動運転技術の入り口ととらえることができます。センサーが認識した前走車の情報に合わせてアクセルやブレーキ操作が一定の範囲内で自動的に制御されるわけですが、そのセンサーの認識範囲は非常に限定的であることから、システム作動中であっても、アクセルを踏み足したり、ブレーキを踏んだりするといった、センサーの不足分をドライバーの運転操作で補うということが大切です。これは“センサーとの協調運転”と呼ばれるもので、この徹底こそがACCをはじめとしたADAS(Advanced Driver Assistance Systems)の正しい普及へとつながります。

また、ACCで使用しているセンサーは前走車のみが対象であることから、横方向や後方から迫ってくる車両に対しては、ドライバーがその責任を負うという「人とセンサーの責任分担」をより明確にしておく必要があります。このように、自律自動運転の理想に近づく第一の扉がACCなのです。

自律自動運転が目指している理想とは?

人間とほぼ同じ運転操作を行うには、現時点ではこのようなセンサーを車載しなければなりません。しかし、将来的にインフラストラクチャーとの連携が進めば、こうしたセンサーの大部分は小型化や簡略化されることが期待されています。

公開日 2016年02月26日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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