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西村直人のACC最前線

第30回 センサーの連携はどこまで進みますか?
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市販車に搭載されている「ACC」では、センサーに「ミリ波レーダーを用いているもの」と、「複眼光学式カメラを用いているもの」、2種類の方式が存在しています。それぞれのセンサー方式は単独で機能させることを前提に設計されており、ACCを機能させるために必要な前走車との距離や相対速度などを正確に計測することができます。

しかしながら、第24回で解説したようにセンサーには物理的な限界があるため得意分野と不得意分野が混在しています。ミリ波レーダーは周波数帯によって短距離から長距離(約200m)までの計測が得意である一方、形を判断する形態知覚能力が低く不得意です。また、複眼光学式カメラは複眼立体視により測距能力や形態知覚能力に優れますが、ワイパーで拭き取れないほどフロントガラスが極端に汚れていたり、油膜などガラス面に油性の汚れが固着していたりすると一時的に認識能力が低下してしまいます。

こうした背景を踏まえ、現在は組み合わせることでセンサーの得意分野を伸ばしつつ、不得意分野をセンサー同士で補完しあう「センサーフュージョン方式」が採用されるようになってきました。このセンサーフュージョン方式によって、例えばミリ波レーダーと光学式カメラを組み合わせることで、ACCの作動精度を向上させる効果が望めるのです。

作動精度の向上は実用性の向上とも言い換えることができます。例えばACCによって前走車を追従中に、となりの車線から前走車との間に割り込むようにして車線変更を行う別の車両がいたとします。この時、広く一般に普及しているミリ波レーダーを単独で使用しているACCの場合は、ミリ波レーダーの前方照射範囲(第11回)に割り込み車両が入った段階で初めてACCシステムによる減速操作が行われるため、時として割り込み車両に近づき過ぎてしまう場合があります。

その点、例えばミリ波レーダーと光学式カメラの両センサーを使うセンサーフュージョン方式を搭載した最新型のなかには、割り込み車両を光学式カメラでとらえている場合、別の車両が車線変更を開始した瞬間から割り込みされることを予測し、ACCシステムによるアクセル操作を緩める(=前走車との車間距離を広げる)などの対処を行う車種も登場しています。

これを「予測制御」と言いますが、これは光学式カメラの画角(撮像素子に写る範囲)に割り込み車両がいる場合に機能するものです。また、専用のプログラムを必要とすることからすべてのセンサーフュージョン方式で予測制御が行えるとは限りませんが、将来的にはとなり車線の車両がウインカー操作をした段階でその車両に対する注意を払うなど、ドライバーがごく一般的に行っている「かもしれない運転」に一歩近づく技術のひとつとして注目されており、同時に、センサーを共有する「衝突被害軽減ブレーキ」の精度向上にもつながる技術としても期待されています。

センサーの連携はどこまで進みますか?

光学式カメラと赤外線レーザーレーダーによるセンサーフュージョン方式をひとつの筐体に収めた例。それぞれを小型化することで設置スペースの自由度が向上。今後は、さらなる小型・軽量化が進む。

公開日 2015年11月30日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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