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西村直人のACC最前線

第23回 危険を知らせてくれる「体感警報」とは何ですか?
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「ACC」や「衝突被害軽減ブレーキ」で使われているセンサーは、危険を認識するとドライバーに対して回避行動を促しますが、その際の報知方法はディスプレイ表示や警報ブザーといった視覚や聴覚に訴えかける手段が一般的です。しかし、こうした報知方法では、運転状況によって見逃したり、聞き逃したりしてしまうことがあります。

そこで考えられたのが「体感警報」という新たな報知方法です。すでに体感警報は、車線逸脱時にステアリングを振動させることでドライバーに回避行動を促す「車線逸脱警報装置」などにも採用されていますが、最近では「衝突被害軽減ブレーキ」との組み合わせが一部の車種から行なわれるようになり、今後は拡大採用が見込まれています。

今回は、一部の車種に導入された衝突被害軽減ブレーキに対する体感警報を紹介します。通常の衝突被害軽減ブレーキシステムが発する一次警報や二次警報のディスプレイ表示や警報ブザーに加えて、体感警報では前走車との急激な接近時に運転席と助手席のシートベルトを巻き上げてドライバーの注意力を高めるとともに、予測される衝突に備えて身体とシートの密着度を高めます。さらに、アクセルペダルに反力(=戻そうとする力)を生み出して、ブレーキペダルへの踏み替えを促進するといった動作も加わり、ドライバーに一刻も早い回避行動を促します。

じつはこうしたシートベルトの巻き上げ機能は、衝突被害軽減ブレーキが初めて国産車に導入された10年以上前にも実用化されていました。しかし、当時はシートベルトを巻き上げる力が弱く、また巻き上げ装置そのものが高価であることや、ドライバーに対してどれだけ効果的に報知できるのかという検証が不十分であったことから、普及には至りませんでした。

現在、センサーの認識性能は導入当初から格段に向上し、シートベルトの巻き上げ精度も飛躍的に高まってきました。それだけでなく、現在のシートベルトを巻き上げる体感警報は、危険度合いに応じて巻き上げる力の調整も行います。ここでの危険度合いとは、前走車や障害物との車間時間(第4回)や相対速度によるもので、車間時間が短く、相対速度が速いほど危険度合いが高いとされ、シートベルトは強く、瞬時に巻き上げられます。

また、危険度合いが低い場合にも体感警報は有効です。例えば衝突被害軽減ブレーキで紹介したアクセルペダルに反力を生み出す機能は、通常運転時に前走車に対してゆっくりと近づいた場合にも働きます。この時点では、すぐに衝突の危険が迫っている状況ではありませんが、安全な車間距離を保つようドライバーに促すことで危険な状態に近づかないようにするために予め体感警報を発しているのです。また、前走車がいるにもかかわらずアクセルペダルを踏み過ぎてしまった場合に、同じくアクセルペダルに反力を生み出してブレーキ操作を促す機能も開発され、すでに市販車への搭載も始まっています。

「体感警報」の報知方法の例
「体感警報」の報知方法の例

危険を知らせる体感警報の一例。ACCや衝突被害軽減ブレーキで使用しているミリ波レーダーや光学式カメラセンサーからの情報を活用して、「ステアリングに振動を加えたり」「シートベルトを巻き上げたり」するほか、「アクセルペダルに反力を生み出したりする」ことで、ドライバーに回避行動を促します。

公開日 2015年08月13日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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