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西村直人のACC最前線

第15回 ACCと「衝突被害軽減ブレーキ」の関係は?
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ACCは車載センサーにより前走車を認識することで追従走行が可能ですが、この車載センサーはACCでの用途のほかに、先進安全技術である「衝突被害軽減ブレーキ」のセンサーとしても使われています。

ACCと衝突被害軽減ブレーキが共有できるセンサーの方式には、現在、「ミリ波レーダー方式」と「複眼光学式カメラ方式」の2種類が使われています。両方のセンサーが搭載されている場合もありますが、車種によって使い分けたり、両方を共有したりしています。「赤外線レーザー方式」の衝突被害軽減ブレーキは、レーザーの照射範囲が狭いため前走車の認識範囲が狭くなるので、ACCとの共有は行われていません。

ところで、衝突被害軽減ブレーキの装着率は年々向上しています。そうしたことを受け、2014年度から国土交通省と(独)自動車事故対策機構による「予防安全性能アセスメント」が新たにスタートし、2014年10月23日にその結果が初めて公表されました。

初年度となった2014年度の試験項目は「衝突被害軽減制動制御装置」と呼ばれる、いわゆる衝突被害軽減ブレーキであるAEBS試験・評価と、「車線逸脱防止装置」であるLDWS試験・評価の大きく分けて2つの項目が用意されました。

AEBS試験・評価には、停止している目標物に対して時速10~50kmの間を時速5km刻みで進み、ドライバーが操作せず自律自動ブレーキのみで衝突が回避できるかを検証する「CCRsシナリオ」と、時速20kmで走行している前走車に対して時速35~60kmの間を時速5km刻みで進み、同じく自律自動ブレーキのみで衝突が回避できるかを検証する「CCRmシナリオ」があり、この2つをあわせて「AEB試験」と呼びます。

この「CCRsシナリオ」と「CCRmシナリオ」には、さらに「FCW試験」と呼ばれる評価があります。車両が危険を認識したことをドライバーに知らせる警報から1秒後にアクセルペダルを離して、1.4秒後に規定のブレーキ(0.2秒で最大0.425の減速度を発生させる)をかけ続けることで、時速何km分の速度低減効果が得られるかを評価するものです。

LDWS試験・評価は、時速60kmで走行中、測定区間の道路にペイントされた車線境界を示す白線(破線)をまたいだ時に警報が発報されるかを検証するものです。

2015年度からは前述した試験・評価に、車両後方の死角をカメラで車載モニターに映し出す「後方視界情報提供装置」の項目が加わり、現在の「予防安全性能アセスメント」は、従来の40点から46点が満点となりました。

ドライバーの身体的疲労度を軽減する目的のACCと、先進安全技術である衝突被害軽減ブレーキは、同一のセンサーでそれぞれの機能を成立させていますが、今後は、こうしたセンサーの共有化が進むことが見込まれています。

「予防安全性能アセスメント」で行われる「FCW試験」とは?

FCW試験では、衝突を知らせる警報を聞いたドライバーが、衝突までにどれだけ減速できるかを試験します。減速できればできるほど、「衝突被害が軽減できた」ことになります。

公開日 2015年05月11日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)

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