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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第30回 公道での実証実験が続く自律自動運転
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第30回 公道での実証実験が続く自律自動運転

内閣府によるSIP-adus(自動走行システム)では2017年10月3日から2019年3月までの期間で「大規模実証実験」を行っています。これは自動走行システムや自律自動運転技術の実用化促進を目的にこれまで行われてきた5つの技術領域の研究開発成果について、自動車メーカーや部品メーカーなどが共同で公道における実走テストを行い検証することが目的です。これにより、多くの自動車メーカーや部品メーカーなどによる公平な評価や検証がなされ、また海外の各メーカーが参加することで将来にわたる自律自動運転の国際連携や国際標準化の加速が期待されています。

大規模実証実験における5つの技術領域
1.ダイナミックマップ 高精度3次元地図試作データの実走行検証
2.HMI※1 ドライバーの運転意識集中度のデータ収集等
3.情報セキュリティ サイバー攻撃に対する自動走行車両の防御機能確認
4.歩行者事故低減 車と歩行者端末間の無線通信による事故低減効果検証
5.次世代都市交通 公共バスへの自動走行技術等の活用に関する検証

出典:内閣府「自動走行システム」の大規模実証実験の実施について
※1:Human Machine Interface/人と機械の接点。パソコンのキーボードやマウスなどもこれにあたる。

こうしたなか日産自動車が最新の実証実験車両を公開しました。この車両はカーナビゲーションで目的地を設定すると一般道路と高速道路の両方で自律自動運転を行います。今回、筆者はこの車両への同乗取材を行うことができました。

日産自動車では将来の自律自動運転につながる技術を「ProPILOT」として育んでいます。2017年11月現在、市販車に搭載されているProPILOTは「これからの自動運転、みんなの技術」第11回特別編で紹介している通り高速道路や自動車専用道路において……

1自車が走行している車線のなかで前走車に対して追従走行
=ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)
2白線や黄線を認識し車線の中央部分を維持するようハンドル操作を支援
=LKA(レーン・キープ・アシスト)

以上の12を行うことでドライバーの身体的、精神的な負担を軽減する運転支援技術として提供されています。

同乗取材を行った日産自動車の実証実験車両は12個の「超音波ソナー」、12個の「光学式カメラ」、9個の「ミリ波レーダー」、6個の「レーザースキャナー」をセンサーとして搭載し自車周囲の交通情報や道路情報を把握。さらに、高密度情報地図である「HDマップ」を搭載し前述したセンサーとの整合性を図りながら正確に自車位置を測定し自律自動運転を行います。

センサーの位置 HDマップによる高密度地図情報

試乗コースは右左折を含む一般道路と、ETCゲートを人工知能によって自ら判断して選択し本線へと合流する高速道路でその距離は約20km。スタート地点でカーナビゲーションに目的地を入力しスタートボタンを押すだけで、実証実験車はドライバーが一度も運転操作を行うことなく見事にこの道のりを走破しました! ちなみに、開発を担当されている技術者によると実証実験車両の自動化レベルは「2」の段階(ACC最前線 第17回)で、ドライバーに監視義務があるシステム構成とのこと。また、その技術者は「一般道路では例えば壁や駐車車両の陰に隠れてしまう歩行者の認識は物理的に認識が難しく、高速道路では前後の車間がびっしりと詰まった渋滞している本線への合流が難しい」と、現システムの限界点も語ってくれました。

人工知能がETCゲートを判別 光学式カメラでの認識状況

車両には合計39個ものセンサーとHDマップを搭載していて、形態知覚能力に優れる光学式カメラのうち4個は車両の天井(前後左右方向)に設置し少しでも高い位置から遠くの状況を把握しようと試みています。加えて、正確な測距性能を誇るレーザースキャナーも車両の前後左右方向に6個搭載しています。しかし、前述した状況では限界があることも事実です。そこで将来的にはこうした車載センサーに加え、壁や駐車車両の陰に隠れている歩行者が持つスマートフォンからBluetooth LE(通信可能な距離は短いが消費電力が低いBluetooth)電波を発信させ、それを車両が受信することで歩行者を認識するといった技術も考えられており、実際にSIP-adusでも検証が行われています。

2017年プロトタイプ

今回、同乗試乗した日産自動車の実証実験車「2017年プロトタイプ」。市販されている車両に39個のセンサーとHDマップ(本文参照)を搭載することで自動化レベル2の自律自動運転を実現する。日産自動車は2015年11月にも、今回の前身となる実証実験車を公開。筆者はその際も同乗取材を行っていたが、この2年で運転操作の自動化レベルは「運転初心者」レベルから「ベテランドライバー」レベルにまで飛躍的に向上。ステアリング操作が滑らかになったのはもちろんのこと、アクセル操作やブレーキ操作にもメリハリが生まれあたかも熟練ドライバーのような運転操作へと成長していた。

公開日 2017年11月15日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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