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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第23回 ACCがさらなる安全機能を身につけた!?
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ACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)の普及率は年々高まりつつあります(ACC最前線・第3回を参照)。これは先進安全技術のひとつであり運転を支援する技術として定着してきた「衝突被害軽減ブレーキ」の普及によってもたらされた相乗効果です。こうした効果が得られた最大の理由は、第15回で紹介してきたとおり、ACCと衝突被害軽減ブレーキで使われているセンサーの共有化が図られてきたことです。また、共有化されている光学式カメラやミリ波レーダーは普及に伴い安価になってきており、今ではリーズナブルな価格帯の小型車にまでACCが搭載できるようになってきました。

さて、そのACCですが自律自動運転の世界では「自動化レベル1」(第17回)に分類されています。アクセルとブレーキの各操作をセンサーからの外界情報をもとにシステムが自動で行うことからそう呼ばれているわけですが、前述した通り、普及率が高まってきたことから「ACCには目新しいニュースがない」と言われることがあります。しかし現実は立ち止まってはいませんでした。ACCも着実に進化を遂げているのです。

最新モデルが搭載するACCの中には、センサーが前走車を正しく認識している状況で、なおかつ自車から見て右車線の車両も認識している場合、その右前車両を抜かさない、つまり「左側からの追い抜きを抑制する機能」が追加でプログラミングされているものがあります。ACCの基本機能である前走車への追従に加えて、ある条件下では右車線の車両も追従対象車であるとみなすわけです。

具体的な状況で解説します。画像01で示しているように、交通量の多い高速道路などでは右車線を走行する車両(画像においては右車線の白い車両)と並走する状況が考えられますが、自車が進路変更を伴わず白い車両を「追い抜く」ことは特別な場合を除き道路交通法に抵触しません。しかし、そうであっても白い車両が自車の存在に気がつかず自車側へと車線変更するかもしれないため、安全運転の基本である“かもしれない運転”を行うことが大切です。

その点、この「左側からの追い抜きを抑制する機能」があると、白い車両のおおよそ死角とならない場所、つまりドアミラーに映り込む場所で、あたかも右前車両が前走車であるかのように追従走行が行われます。その際、自車のメーター内には、なぜいつものように自車の前方にいる車両に近づかないのかをドライバーに知らせます。この時、画像02のように右車線の車両をセンサーが認識していることを示すため、通常であれば1台であるACCのディスプレイ表示が2台に増えます。

こうした複数車両を一度にディスプレイへと表示する方法は、この先、自動化レベルの向上とともに一般化すると言われています。また、この状態の時に白い車両が速度を上げると、自車はACCで設定した速度を上限に速度を上げて追従し、自車側の前走車に近づいた時点で、今度はいつものようにその車両への追従走行を行います。

画像01
画像01:交通量の多い高速道路などで右車線を走行する車両と並走する状況
画像02
画像02:右車線の車両をセンサーが認識している

現在、自律自動運転の世界では自動化レベル3以上の技術が話題の中心になりつつありますが、黎明期を生きる我々はこうしたレベル1~2で考えられる事象に対しても目を向け続ける必要があるのではないかと考えています。

公開日 2017年07月10日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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