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HOME >  第19回 自動運転における“トロッコ問題” -西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第19回 自動運転における“トロッコ問題”
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トロッコ問題とは、線路上をトロッコが暴走し、そのまま進むとその先にいる5人を犠牲にしてしまうという状況で、そのトロッコが通過する分岐点に主人公がいるところから物語は始まります。分岐させれば5人は確実に助かるものの、分岐先にも別の1人がいることから結果的にどちらを選んでも1人以上は必ず犠牲になってしまいます。このとき、主人公は5人を犠牲にするのか、1人を犠牲にするのかという架空のお話です。

こうしたトロッコ問題ですが、将来の自律自動運転が可能となった車両で発生する確率は、限りなくゼロに近いのではないかと筆者は考えています。例えば、人が運転操作をしなくとも自律自動運転が行える自動化レベル4や、さらに高い安全が担保された自律自動運転を行う自動化レベル5(※)の自動運転技術が実用化されたと想像してください。この高い技術レベルを達成している場合、「右の道は危険、左の道も危険」という二者択一を迫られるかなり前の段階で、自動ブレーキが作動するなど回避動作がとれるはずです。

逆説的に考えれば、自動化レベル4以上の自律自動運転を実用化するためには、トロッコ問題のような二者択一の状況に追い込まれる前に、道路や周辺の情報を車が入手する「路車間通信技術」(ACC最前線 第29回)などによって、危険な状況になるべく近づかないという安全性が担保されていなければなりません。

先頃、自動運転技術と安全技術を開発している自動車メーカーの担当者が「自動化レベル4以上の自動運転技術を搭載した当社の車両では、乗員を守るため、他車との接触事故はやむを得ない可能性があります」という趣旨のメッセージを発し話題となりました。「やむを得ない」という発言だけをとらえれば誤解を生む可能性がありますが、自律自動運転を発展させていく上で重要な倫理観や安全哲学といった社会に対する問題提起が発言の根幹であるならば、この先、本格的な普及を迎える自動運転技術にとって大きな意義があると筆者は考えています。

また、こうした倫理観を議論することは「国民から理解を得る」という“社会的な受容性”を形成するうえでも大切です。2016年、日本において、自動化レベル3以上の自律自動運転技術を搭載した車両が関連する事故に対する、現職の弁護士などによる「模擬裁判」が開かれました。ここでは現行の自動車損害賠償保障法の適用可能性や、製造物責任法における欠陥、さらには誰がどのような理由で事故の責任を負うかなどが議論されています。

自動化レベルの定義はいずれもSAE International/アメリカ自動車技術会によるもの。日本のSIP-adusでは、今後この定義が使用される。

自動運転における“トロッコ問題”

高い安全性を担保する自動運転技術がなければ、混合交通となる道路を走行することは不可能です。また、そうした場合でも天災による不可抗力に対応できるよう、幾重もの対策が取られていることが自動運転社会の育成に求められています。

公開日 2016年02月21日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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2017/03/04 20:32

ACCに関してはアイサイトが群を抜いていると思います。でも、あまり自動運転が発達すると、極端な話子供でも運転しかねないと思いますので、ほどほどの方がいいかなと思います。

メタボ男さん (40代/男性)北海道

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