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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第15回 自動運転に必要なダイナミックマップの役割とは?
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自車周囲の状況を把握する「車載センサー」(目)、その情報を理解する「コンピュータ/CPU」(脳)、そしてステアリング操作やペダル操作を行う「駆動技術」(骨や筋肉)の連携プレーが重要

自動運転技術の開発が進むにつれて、自動車メーカーから発表される自動運転実験車の完成度も高まりつつあります。なかでも運転操作レベルはグングンと向上し、高速道路などの緩やかなカーブでは熟練したドライバーに近い丁寧なステアリング操作やペダル操作を自動的に行うまでに成長してきました。

この実現には自車周囲の状況を把握する「車載センサー」(目)、その情報を理解する「コンピュータ/CPU」(脳)、そしてステアリング操作やペダル操作を行う「駆動技術」(骨や筋肉)の連携プレーが重要で、ここがスムース行われると運転操作も滑らかになります。こうした一連の連携はこの3~4年の間で急速に発達してきましたが、その要となる技術がCPUを司る「人工知能」です。

ドライバーは運転経験を重ねると、心に余裕が生まれることから周囲の交通状況にもさらに目を配ることができ、状況変化に柔軟な対応がとれるようになります。また、自身の運転スタイルが確立されると、危険予知などの予測をもとに危険な状態に近づかない安全な運転環境を自ら手に入れることができるようになります。

人間の脳は受ける刺激の80%以上を視覚から得ていると言われていますが、こうした予知や予測は人の経験則に基づくものでデータによる定量化が難しい領域です。よってこの先、高度な人工知能をもつ自動運転車両であっても、車載センサーと駆動技術を組み合わせた3点セットだけでは、運転操作に物理的な限界が発生するのではないかと危惧され始めました。

そこで登場したのが「ダイナミックマップ」です。ダイナミックマップとは地図情報に様々なデータを組み合わせた電子地図をさします。すでにカーナビゲーションシステムには道路や建物、住所などの基礎的な情報をもつ電子地図が使われていますが、ダイナミックマップではそれらに加えて、自動運転に必要な立体的で詳細な地理情報、たとえば信号機が地面からどれほどの高さに設置されているのかや、路面の規制標示や指示標示の位置や内容、さらには路肩や電柱の有無などの細かな道路周辺情報までもが収録されています。

こうした情報の収集にはMMS(モービルマッピングシステム/Mobile Mapping System)という技術が用いられています。車両の天井部分に取り付けられたカメラやセンサーを使って走行しながら測量作業を行うデータ収集方式で、ここで得られた情報は道路上に点(ポイント)の状態で存在しているデータを示していることから「点群情報」と呼ばれています。

しかし、このダイナミックマップは自動運転専用の技術ではありません。将来的にはMMSの点群情報に通信技術を組み合わせることで、高速道路などで発生している“逆走事故”を抑制する注意喚起を、かなり高い精度で逆走している車両に報知することが可能です。また、その際には正しく走行している車両に対しても「逆走車両が迫ってくること」を早いタイミングで知らせることができるため、これまで以上の事故抑制効果が期待できます。

自動運転に必要なダイナミックマップの役割とは?

2017年9月から、ダイナミックマップと自動運転技術と組み合わせることで、より安心・安全な自動走行が行えるかなどを検証する大規模実証実験※1が日本で行われます。これは内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム「自動走行システム」によるもので、約300kmに及ぶ自動車専用道路を使った自動走行テストを主体に、一般道路や模擬市街地でも走行テストが行われます。

※1内閣府「「自動走行システム」の大規模実証実験の実施について」 http://www8.cao.go.jp/cstp/kaisaiannai/20161115sipadus.pdf
画像はトヨタ自動車が2015年10月に発表した自動運転実験車「Highway Teammate」

公開日 2016年12月20日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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