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HOME >  第13回 「ペダル踏み間違い」は自動運転技術で抑制できるのか? -西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第13回 「ペダル踏み間違い」は自動運転技術で抑制できるのか?
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いわゆる「高齢者のペダル踏み間違いによる交通事故」が連日のように報道されています。こうした背景には、加齢によって人間誰しもが経験する身体的能力の衰えがあると言われています。運転操作における3大基本要素はドライバーによる「認知・判断・操作」ですが、年を重ねていくとこれらが部分的に不確かになる傾向が高まることから、加齢は踏み間違い事故の発生要因のひとつではないかと考えられています。

しかしながら、こうした「ペダル踏み間違い事故」は今年になって急増したわけではありません。ペダル踏み間違い事故は2004(平成16)年から2013(平成25)年の10年間で合計68,002件発生していますが、統計上の直近5年間における発生件数では約6,383件/年と微減傾向(※1)にあります。

また、年齢別の運転免許保有者(全年齢の保有者は82,150,008人)を2014(平成26)年と2015(平成27)年で比較(※2)してみると、16~19歳/▲1.4%、20~24歳/▲0.7%、25~29歳/▲3.2%と、いずれも若者世代が減少傾向にあるのに対して、65~69歳/7.6%、70~74歳/▲2.8%、75~79歳/5.5%、80~84歳/8.6%、85歳以上/9.1%と、高齢者世代では全般的に増加傾向にあります。これは長足の進歩を遂げた医療技術に加え、QOLの向上に向けた国の取り組みが功を奏した結果であると考えられます。

このように、ペダル踏み間違い事故の発生件数そのものはこの10年間で横ばいであるにも関わらず、運転免許保有者に占める高齢者の割合が年々高まってきていることなどから、必然的に高齢者の事故発生率が上がっているという考察が成り立ちます。

一方、ステアリング操作を誤ったり、ブレーキ操作が遅れたりするなど、運転操作が適切ではないことが事故の発生理由とされる「操作不適事故」は2013(平成25)年で41,805件発生しています。このうち、発生割合は75歳以上の高齢者がもっとも高く全体の9.7%と事故を起こしやすい傾向にありますが、実は24歳以下の若者も9.1%と高齢者に次いで高い傾向にあることが統計データ(※1)から判明しています。

一連の事故を受け、高齢者の「運転免許証返納」に関する話題や、運転支援技術の集大成である「自動運転技術の早急なる促進」が取り沙汰されていますが、「返納」は一時しのぎにはなるものの“移動の自由を確保する精神”からは遠のくため、抜本的な解決策にはなりません。また、「自動運転技術」は提供できる運転支援の四隅が自動車ユーザーに示されていないことから正しい普及には至らず時期尚早であるという課題が残ります。

踏み間違い事故は「ヒヤリハット」(大事には至らなくともヒヤッとしたり、ハッとしたりする瞬間)を含めると年間数万件を優に超えるとみられています。踏み間違い事故の発生メカニズムは解析が進む一方で、ドライバーごとに運転環境が違うため画一的な技術では対応が難しいとされています。こうした状況に対し自動車メーカー各社では、自動運転の要素技術であるADAS(先進安全技術/Advanced Driver Assistance Systems)をベースにした、ドライバーごとの状況に対応する抑制技術の開発や研究(例:警告ブザーやディスプレイ表示を早出しなど)を急ピッチで行っています。

1/交通事故総合分析センター調べ
2/警察庁交通局運転免許課「運転免許統計平成27年版」

AT誤発進抑制制御イメージ
「ペダル踏み間違い」は自動運転技術で抑制できるのか?

誤発進を抑制する技術の一例。前方の障害物を車載センサーがとらえている時、ドライバーが誤ってアクセルを踏み込んでしまっても、強い加速を行わないように車両を制御。同時にドライバーには警告ブザーやディスプレイ表示を行い正しい運転操作を促します。

公開日 2016年11月30日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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