選ぼう使おうACC-くるま社会の未来を変えるスーパーアイテム。あなたのコメントがクルマの未来を変えるかも!

HOME >  第9回 小型トラックの衝突被害軽減ブレーキ -西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第9回 小型トラックの衝突被害軽減ブレーキ
0

作動時の動画あり

今や、ADAS(アドバンスド ドライバー アシスタンス システム/先進安全技術)の代名詞となった「衝突被害軽減ブレーキ」。事故の減少率や被害の軽減効果が高いなどの理由から年々装着率が増加しています。また、乗用車だけでなくトラックやバスといった商用車への装着率も高まりをみせており、たとえば2008(平成20)年から2013(平成25)年の5年間では、乗用車の5.7倍に対して、大型トラックでは10.1倍と1.8倍近く向上しています(ACC最前線第19回参照)。

トラックのうち一般的に「2tトラック」とも呼ばれているのが小型トラックです。小型トラックは日本のトラック市場で最多販売台数を誇るカテゴリーであり、2015年の実績値では13万台近い数値を記録しています。我々の生活に密着した小型トラックは生産財であることから、あおり(荷台のかこい)の付いた平ボディ仕様、荷箱を搭載したパネルバン仕様、そしてゴミを収集する塵芥車仕様など用途に応じた様々なボディが用意されており、幅広いシーンで活躍しています。また、トラックのなかではボディサイズが小さいことから、住宅街への宅配業務や、商店街での配達業務などにも使われるなど使い勝手が良いことも特徴です。

その小型トラックにはじめて衝突被害軽減ブレーキが装着されました。衝突被害軽減ブレーキの主な目的はACC最前線第20回に紹介している通りであり、それは小型トラックでも変わりありません。自動的にブレーキがかかるいわゆる“自律自動ブレーキ”はシステムの最終段階で働く機能であり、それよりも前の段階でシステムが発する警報ブザーやディスプレイ表示によってドライバーに回避行動を促すよう設計されたADASです。

今回は衝突被害軽減ブレーキが装着された小型トラックに同乗試乗してみました(下の動画を参照)。停止車両に見たてたターゲット(目標物)に時速20kmほどで近づくと、衝突が予測されるおよそ1.5秒前(これを「Time to Collision/衝突予測時間」と言います)に「ピピピピッ」という連続する警報ブザーが車内に鳴り響き、同時に動画では分かりづらいですが、メーター内にはブレーキ操作を促すディスプレイ表示が現れています。その後、衝突が避けられないと判断された距離まで近づくと、今度は強力なブレーキが自動的にかかりターゲットから3.5mほど手前で停止しました。

2回目の同乗試乗では、この「ピピピピッ」という警報ブザーが鳴った時点でドライバーの方にフルブレーキを踏んでいただきました。するとターゲットから5.2mほど手前で停止することができたのです。ここでの差は約1.7mと数値にすれば小さなものですが、たとえば路面が雨や雪で濡れていたり、砂利が浮いていたりしていて滑りやすい状況にある場合は、停止できる/できないといった分かれ目になるため非常に重要です。つまり、警報が鳴った時点でドライバーが踏むことで、より高い確率で前走車や障害物との衝突が避けられたり、万が一衝突してしまったとしても被害軽減効果が得られるという証でもあるのです。

小型トラックの衝突被害軽減ブレーキ

同乗試乗したのは日野自動車の小型トラック「デュトロ」です。赤色の丸で囲んだ部分に光学式カメラが車外に向けて設置され、赤色の四角で囲んだ部分にミリ波レーダーセンサーを内蔵しています。この2つのセンサーは互いに情報を共有していることからセンサーフュージョン方式と呼ばれています。

公開日 2016年 9月27日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

自動運転について知ってる人も 知らなかった人も

記事を読んだら感想を聞かせてね!

投稿されたコメントはありません。

連載バックナンバー

コメント投稿

お読みになった感想、ご意見や今後のACCの発展に期待することなど、200文字以内でご記入ください。
ご利用についてはコメント投稿についてをご覧ください。

投稿はページ下の「新着コメント」欄に表示されます。

コメント投稿について

「選ぼう使おうACC」サイト(以下、本サイト)をご利用いただきありがとうございます。
本サイトで送信いただく情報の取り扱いについては下記の利用規約のとおりです。

【利用規約】

事務局連絡窓口:info@jaf-acc.jp

閉じる

コメント投稿

コメントを投稿します。よろしいですか?