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HOME >  第8回 フィンランドとスイスで見て乗った/その2 スイス総集編 -西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第8回 フィンランドとスイスで見て乗った
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その2 スイス総集編

フィンランドとスイスの地を訪れ、公共交通機関を中心とした取材を進めてきました。過去2回(第5回第6回)にわたってご紹介してきた「これからの自動運転、みんなの技術」のヘルシンキ編とスイス編では、その一部をしかお見せできませんでしたので、第7回目と第8回目の2回に分けて現地での撮り下ろし画像を追加でご紹介いたします。今回は、スイスの総集編。現地の雰囲気を味わっていただければと思います!

シオンで乗車した自律自動運転を行うシャトルバスは、歩行者専用エリアでの走行が国と警察から許可されています(写真1)。じつはこちらが車両の前側です(2)。後側とはどこが違うかおわかりになりますか? ドアはこのように開きます。ドアは左右どちらにでも装着できますが、シオンのシャトルバスは右側にドアがあります(3)。車両前方上部のレーザースキャナー(4)、フロントウインドー中央下部の複眼光学式カメラ(5)、そして車両前後に縦位置で上下2か所に取り付けられたレーザースキャナーです(6)。

ローザンヌの連結トロリーバス(7)です。第6回でご紹介した蛇腹でつながっている「連接式」とは違い、後部の車両とこのように(8)連結させた「連結式」であるところが違っていて、連結を解除して前車両だけでの走行も可能です。連結バスの運転席ですが、操作すべきレバーやボタンがたくさん付いています(9)。連結/連接バスには車両後部に「進路を譲ってくれてありがとう!」のデカールが装着されています(10)。

連結トロリーバスを後から見たところ。まるで親子バスのようです(11)。トロリーバスに電力を供給する架線はご覧のように入り組んでいます(12)。運転手はさすがプロ。停留所に対してわずか13cm(計測してみました!)の位置までピタッと幅寄せしていました(13)。日本のSIP(戦略的イノベーション創造プログラム)における「自動走行システム」では、自律自動運転のバスで、このように路肩への幅寄せを行おうと研究が進んでいますが、さて、どちらの運転が上手いでしょうか。気になりますね。通常の運行中であっても、架線からこれくらい横方向にずれながら走行します。最大で約3.8mずれても架線と車体から伸びるポールははずれません(14)。

パーソナルモビリティ「Renault Twizy」です。パーソナルモビリティとは1人、ないし2人が移動する際、最小限のCO2排出量で済むように開発された新しい乗り物です。これはモーター駆動のEVで、バイクのように前後2人乗り。日本ではこれと同じ車両を「NISSAN New Mobility CONCEPT」として全国各所で実証実験を行っています(15)。バイクとバスのパーク&ライド(16)。バイク乗りとしては、非常にうらやましい限り。欧州ではバイクでの長距離(3,000km以上は当たり前!)ツーリングが活発です。被視認性の高いヘルメットを被り、同じくべストを着用するあたり、見習うべきところがたくさんありますね(17)。自転車もちゃんとルールとマナーを守って走行しています(18)。

ローザンヌの自転車専用道路です。駐車場出入り口のわずかな距離ですが、しっかりと区分けがなされています(19)。ローザンヌでは中心街にもこうしたラウンドアバウト(20)が至るところで見受けられます。また、中心街では慢性的な駐車場不足によりこうした裏道を一時的な駐車スペース(21、22)として利用しています。利用方法は日本と同じく路上に設置された発券機でパーキングチケットを購入し、そのチケットを車外から見やすい場所に置きます。日本との違いは、発券機でクレジットカードが使える(23)ことでしょうか。

ローザンヌ地域公共交通局(24)にも赴きました。ここでは自律自動運転を含めた2050年までの公共交通機関としてあり方を学んだほか、地下鉄やバスの管理センター(25)や、237台(2015年末現在)ものバスや連接バス/連結バスを管理するバックヤードへの取材を行いました(26)。バックヤードでは新旧問わず、車両のメンテナンスが行えます(27)。トロリーバスのポール先端に装着された架線との接触部分(カーボン製)です。上がすり減ったもので下が新品(28)です。ここまですり減るまでには、路線や走行距離にもよるものの、およそ3~5週間程度だそうです。バックヤードでは作業管理表や申し送り事項が掲示され(29)ミス無く作業を行う策が講じられています。

ローザンヌは世界の名だたる企業が複数本社を構えており、高級住宅街としても知られています。また、レマン湖のほとりでありヨットやボートを楽しむ方々も多く、スイス屈指の行楽地としても有名です。コンバーチブルから顔を出したわんちゃんも楽しそうですね(30)。同じスイスでもジュネーブでは一転し、高級なスポーツカーがこうしてホテルに横付けされています(31)。私もそれに感化され船遊び……、ならぬ水上バスで気分だけでも味わうことしました。この水上バスはジュネーブ市内の1Dayパスで乗船できます(32)。船内はクラシカルで舵取り用のハンドル(ラット)も小さくかわいらしいものが装着されていました(33)。

ローザンヌには地下鉄1号線(1991年開通)と2号線(同2008年)があり、ローザンヌ市内の1Dayパスで乗車可能です。ちなみにこの1Dayパスは市内のホテルに宿泊すると宿泊期間中は無料で配布されます。これはジュネーブも同じです(34)。このシステム、2020年の東京オリンピック・パラリンピックでも導入されると良いですね。1号線は通常の鉄製のレールが敷かれていますが、2号線にはそれがありません(35)。2号線の車両はクルマと同じゴムタイヤを装着(36)しています。これは最大で120‰(12%)にも及ぶ急勾配を安全に昇降するためです。Lausanne-Gare駅のホームはここまで傾斜(37)しています。車内へは自転車もそのまま持ち込めます(38)。

公開日 2016年08月25日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

自動運転について知ってる人も 知らなかった人も

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