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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第4回 人工知能を上手に育てる運転術
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自律自動運転には様々な技術が必要です。車両や歩行者、さらには道路標識や信号機などを認識するためのセンサーや、そのセンサーからの情報を処理するCPU(中央処理装置/Central Processing Unit)、そしてアクセルペダルやブレーキペダル、ステアリングなどを自動で制御するモーター類など多岐にわたります。

しかし、テストコースなどの限られた場所だけでなく、我々が生活している道路上で安全な自律自動運転を実現するにはそれだけでは足りません。複雑な計算を瞬時に行えるAI(人工知能/Artificial Intelligence)の存在が不可欠です。

AIは言葉の通り「人工」と「知能」がかけ合わさって生まれた造語です。自律自動運転に使われるAIには非常に優れた処理能力がありますが、残念ながらそれだけでは正しく機能しません。「歩行者が優先」、「障害物は避ける」、「車線を逸脱しない」、「赤信号は停止」など交通環境でのルールを人の手により手間をかけ、確実に入力していく必要があります。これは、高いスペックを持ったパソコンであっても人がキーボードなどから情報を入力しなければ、その処理能力を活かせないことと似ています。

現在、こうした手間をどのようにかけていくと効率良く、そして誰もが使いやすいと感じるAIへとつながっていくのか、各国各地域の自動車メーカーや部品メーカーでは研究開発が進められています。いわば、自動運転技術におけるAIの倫理や知識を積み上げていく作業が人の手によって行われているのです。またこのことは、自動車の開発に自動運転技術という新たな項目が加わったことを意味しています。

ある自動車メーカーではAIに人(ドライバー)の好みを加えることで、より人間らしい、フレンドリーな自律自動運転を実現しようと試みています。たとえば我々が運転中、路上に駐車している車両を発見すると、接触しないよう一定の距離を保って側方を通過しますが、この“一定の距離”には人により違いがあります。また、「駐車車両の陰から横断歩行者や自転車が出てくるかもしれない」など、“かもしれない運転”についても認識は人それぞれです。

そこでこのAIは、自律自動運転を行っていない(=人がその車両を運転操作している)時、どれくらいの距離を保って駐車車両の側方を通過したり、どのタイミングでブレーキをかけたりしているのかなど、その人のクセや特徴を「運転の好み」と判断しデータとして蓄積し、今度は自律自動運転に「運転の好み」をできるだけ忠実に再現するのです。これにより、いつもの自分に近い運転操作が自律自動運転でも行われるため、車内がより安心できる移動空間となることが期待できます。

また、こうした開発過程に加えて、自律自動運転を行っている車両と歩行者との意思疎通がスムースに図れるようなコミュニケーション手法が組み合わされることで、よりフレンドリーで安全な自律自動運転の姿が見えてくるのです。

人工知能を上手に育てる運転術

歩行者にはこのように文字による意思表示(赤枠内)のほか人工音声によるコミュニケーション手法がありますが、いずれにしろ自動運転技術を制御するAIに運転のルールとマナーを教えるのは人の役割であることに変わりはありません。

公開日 2016年 7月 5日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

自動運転について知ってる人も 知らなかった人も

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