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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第2回 3つの領域で開発が進む自動運転技術
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自動運転技術はひとつの方向からだけでなく、3つの方向から開発が進み実用化へ向かっていくと言われています。1つ目が「消費者向け自動運転技術」、2つ目が「公共交通機関向け自動運転技術」、そして3つ目が「インフラ協調型の自動運転技術」です。それぞれが自動運転技術を採用する理由はさまざまですが、技術的に共有する部分も見受けられます。今回はそうした3つの領域を解説します。

自動車ユーザーにもっとも関係性が深いのが、1の「消費者向け自動運転技術」。いわゆる乗用車を筆頭にした車両です。現在、日本では軽自動車を含めてで平成28年2月末現在で61,101,278台の自動車が保有されています。これらは車両の大きさにはじまり、搭載しているエンジンの排気量も多岐にわたり、また、新車での販売価格にしても100万円を下回る経済的に優れた車もあれば、1000万円を超える高級車も存在します。乗用車は消費財とも呼ばれており、数年から10数年のサイクルで買い換えが望める領域です。こうしたことから1に対する自動運転技術は、普及促進を見据えた「低価格」であることがもっとも大切です。

2で示した「公共交通機関向けの自動運転技術」とは、市街地を走るタクシーや路線バス、都市間輸送を成立させる大型トラック向けと定義されます。観光業に従事する観光バスもこの領域に含まれます。公共交通機関では通常、1台の車両に対して複数のドライバーが勤務時間に応じて相互運転を行います。従って、乗用車よりも1台あたりの稼働時間が長くなる傾向にあるのです。たとえば、路線バスは決められたルートを時刻表通りに運行させ、一定の距離と時間を走行した際には、一度、バスの営業所などに帰庫し給油などとともにドライバーの交代を行います。人は休息しますが、バスは休みなく走り続けるのです。よって、生産財とも呼ばれる2に対する自動運転技術は、耐久性を含めた「信頼性の高さ」が求められています。

日本は超高齢社会となって久しく、福祉の観点からも自由な移動手段の確保が課題のひとつとされています。たとえば、高齢となり運転免許証を自主返納された場合、日用品の買い物や通院に不便を感じることがあるかれもしれません。ある自動車メーカーの検証では、自宅に閉じこもるとQOL(Quality of Life/生活の質)を下げることにつながり健康面でも不安要素が増えるという結果も出ています。こうしたシーンで活躍が期待されるているのが小さな都市でも形成でき、ドライバー不在で運用できる新交通システムです。7~10人乗り程度の小回りのきく車体を用い、それこそ住宅街のなかにまで入り込んでくれるとなれば利便性は大きく向上します。しかし、こうした世界を現実にするには、「自動走行システム/SIP-adus」におけるレベル4(ACC最前線第17回参照)が条件となることから、「高い自動運転技術と監視体制」が必要です。

自動運転は「ボタンひとつで目的地へ」といった、だれもが一度は抱くであろうという空想の段階から、目的に応じた開発分野の絞り込みによって、基礎的分野と競争分野が明確になりつつあります。これにより実現可能な自動運転技術が絞られてきているのが現状です。

乗用の普通車/小型車/軽四輪車の合計。一般財団法人・自動車検査登録情報協会調べ

3つの領域で開発が進む自動運転技術

軽自動車と大型トラックの新車での販売価格は20~30倍の開きがありますので、かけられる開発コストに違いが生じます。よって、早期導入可能な自動運転技術にも車格に応じた違いが生じるのです。

公開日 2016年06月15日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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