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西村直人の「これからの自動運転、みんなの技術」

目前に迫る「自動運転」の時代。わが国の政府も2020年までの実用化を掲げています。
ハンドル操作が不要になる? 前方車両の追い越しまで車が自動でやってくれる?
いやいや、実は「自動運転」ってそれだけじゃありません。
自動運転の開発によって培われた技術は、さまざまな分野への転用が期待されています。
自動運転の技術と、その自動運転が変革していく社会を、最新情報を織り交ぜながら、
このコラムでは解説していきます。

第21回 自動運転が目指している方向
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自動運転とは正式名称を「自律自動運転」と言います。ここでの自律とは、車載センサーがとらえた情報をもとにシステムが判断し、自ら(クルマ)を律し(制御)ながら走行することを示していて、その自律に基づき自動走行状態が保たれることから自律自動運転と呼ばれています。

また、自律自動運転では「人工知能」との連携が不可欠です。「これからの自動運転、みんなの技術」(第4回)でご紹介した通り、人工知能とは「人工」と「知能」がかけ合わされて生まれた造語です。このところ人工知能はその優れた将来性から自動車業界のみならず、各産業界や教育機関からも注目されています。しかし、“人工知能さえあればなんでも願いが適う世界”の実現は、残念ながらここ数年の技術革新では見えてきません。20~30年、周辺を取り巻く状況によってはさらに年月が必要になるとも言われています。

人工知能は大いなる可能性を秘めた枠組みです。ただ、育んでいくためには、たとえば「目的関数」と呼ばれる考え方を人が示すことが不可欠で、ディープラーニング(深層学習)といった様々な過程を経験させることで、はじめて人工知能の体を成すことを我々はまず理解することが大切です。

しかし、走行する場所を限定するなど条件を絞れば先進安全技術と人工知能の融合により、事故の可能性を抑制する交通環境が早期に見えてきます。その前提として第15回での「ダイナミックマップ」や、第16回での「人工知能がドライバーを見守る世界」の実現がありますが、現在の研究開発スピードでいえば10~15年のうちに実用化されるのではないかと考えられています。今回はそうした交通環境を、「高速道路でのシーン」と「一般道路での交差点シーン」を例にイラストで表現してみました。

高速道路は一般的な片側2車線を想定しています。道路側にはセンサーと情報受発信端末が設置され、周辺の道路状況を、走行している車両に通信技術を活用して伝えています。また、同時に車両から道路側の端末に対して、走行している車両の速度や車載センサーが認識している自車周囲の車両情報などがリアルタイムで通信されます。こうした相互通信環境によって、まるでドライバーが運転しているかのように柔軟な対応ができるACC(アダプティブ・クルーズ・コントロール)や、同じくドライバーが操作しているように滑らかなステアリング操作で車線をはみ出さないよう運転を支援するLKAS(車線維持支援機能)などが実現し、高度な運転支援にアシストされたドライバーによる運転が可能になります。また、リアルタイムでやりとりが行われる道路状況と過去の事故データ情報を人工知能が解析することで、危険な状態が迫ってくる数秒から30秒程度前に、ドライバーに回避動作を促すといった環境も提供されます。

人と機械の協調運転(高速道路の場合)

一般道路では交差点を想定しています。歩道には歩行者がいて自転車も往来しているような一般的な環境です。ここでは人と、クルマ/自転車との相互通信技術が活用されます。たとえば、横断歩道上にいる歩行者の存在を交差点に設置した光学式カメラなどで認識し、その存在をクルマに伝えることで接触事故を抑制することが可能です。また構造上、死角が大きくなりがちな大型トラックとの巻き込み事故の抑制も期待できます。将来的にはダイナミックマップと道路側のセンサー情報などから、人工知能が巻き込み事故が想定されると判断した場合、大型車の速度を予め緩めながら交差点に接近させたり、必要に応じて自律自動ブレーキを機能させたりするなど、危険な状態に近づかない交通環境などが提供されます。

人と機械の協調運転(一般道の場合)

いずれにしろ、要はセンサーや通信技術、そしてダイナミックマップといったデジタル技術です。この先はそうした「技術の高度化」と、人との協調が行える「人工知能の高度化」(第17回)の両立によって、文字通りの自律自動運転社会が実現していきます。ガソリンで動く自動車が発明され130年以上はドライバーによる手動運転時代でした。将来、自律自動運転時代がやってくることは間違いないと言えますが、それまでしばらくの間は、人と機械(技術)との協調運転時代となるのです。

公開日 2017年06月09日

西村 直人氏(交通コメンテーター)

西村 直人【交通コメンテーター】

特別編「CACCを試してみた」

1972年東京都生まれ。クルマとバイク、ふたつの社会の架け橋となることを目指す。得意分野はパーソナルモビリティだが、WRカーやF1、2輪界のF1であるMotoGPマシンの試乗もこなす。近年では大型のトラック&バス、トレーラーの公道試乗も行うほか、HVのバス&電車など、物流や環境に関する取材も多数担当。2007年度東京都交通局バスモニター。「JAF Mate」誌では、本誌初の二輪連載企画を4年間担当。大型第二種免許/けん引免許/大型二輪免許、2級小型船舶免許所有。

  • 日本自動車ジャーナリスト協会(A.J.A.J)理事(ITS分科会リーダー)
  • (財)全日本交通安全協会 東京二輪車安全運転推進委員会 指導員
  • (協)日本イラストレーション(JILLA)協会 監事
  • 日本カー・オブ・ザ・イヤー選考委員(2010年度から)
西村直人のACC最前線

過去の連載はこちら

日々進歩していくACC。ACCの歴史から技術の未来まで、じっくり解説します。 連載期間:2014年9月~2016年3月

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2017/06/15 21:45

運転技量の低下が日本では見られます。今すぐスゥエーデンの様に産学政府主導で自動運転技術を磨かなければ電気自動車の世界では日本はイスラエル技術に遅れをとり衰退します。即有料自動車専用道路から行うべきです。

ときおかとしおさん (60代/男性)兵庫県

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ビッグデータがもたらす“つながる社会”とは?

既存の車両や自律型の自律自動運転車両に搭載される専用通信端末「DCM」。トヨタではそれらが発するビッグデータを「トヨタスマートセンター」に集約して一元管理。そして将来、このビッグデータを「モビリティサービス・プラットフォーム」で共有し、ライドシェアや保険会社などとの新サービスに活かす。

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